オフィス鴻

B Corp認証

2024年02月23日

アメリカの非営利団体であるB Labが、環境・社会への配慮分野での公共性の高い企業にBコープ認証を付与するもので、日本では30社程度、海外では約100カ国8千社が認証を受けているそうです。認証基準にはガバナンス・従業員・コミュニティ・環境・顧客の5分野が採点対象となり、経済的な持続的成長・価値追及から社会的な価値創造へと世の中の主流となる考え方が変化してきていることが見て取れます。今後、SDG’sと多くの共通点があることから消費者や顧客の選択肢として認証を受けた企業のブランド価値や購買頻度が高くなる可能性も考えられます。

また、B corp認証(B;Benefit(利益))を第三者から受けることでサステナブルな「良い会社」である証明となり、企業理念と合致しない取引先には商品を販売しない、消費者は持続可能な企業からの購入を優先するなど、社会貢献・環境の持続可能性への貢献など利益以外の目的を目指していることが理解されることで、単なる価格競争とは異なる差別化が図られる可能性を示唆しているように思います。さらに、カーボンニュートラルにより二酸化炭素など温室効果ガスの排出量を「ゼロ」にする温暖化対策が世界的に大幅に遅れていることなどを併せて考えれば、すぐには利益に結びつかない企業の取り組みでも理念に沿った活動を行うことで投資家を含む利害関係者(ステークホルダー)の理解が得やすくなるなど、次世代以降に企業のあり方そのものを問われる時代となることも想定されるでしょう。

なお、世界標準化しているオーガニッックやフェアトレード認証に比べて遅い理由は、認証条件の厳しさと認証自体が直接的金銭利益につながらない点にありそうです。また人的資本の情報開示が義務付けられている上場企業に限らず、人的資本は持続的な企業成長の視点では良い会社としての数値化・可視化、ブランド信頼性の向上、環境や社会への影響などに優れた企業であるとの第三者評価を得ることで、同じ価値観を共有できる人材・組織が共に発展していく姿が想像できそうです。