GDP予測
2025年07月30日
日本経済研究センターの長期経済予測が発表されました。この調査は今後50年間の1人当たり実質GDP(国内総生産)を予測したもので、世界83ヶ国・地域を対象としています。、日本は2075年には現在の29位から75位になるとされています。また日本全体のGDPも4位から11位へと後退する予測です。その中で日本の課題として提起されたのは①労働人口減少、②合計特殊出生率の低下(1.1と予測)、③AI技術による情報サービス産業の生産性向上、④雇用慣行、⑤移民受け入れなどです。またこの傾向は日本に限らず世界的傾向であるもののアフリカを始めとした新興国・途上国の存在感が増すとしています。
この予測結果をどう受け止めるのかは人それぞれですが、日本では今後少なくとも下押し要因が山積していることに対して認識を持っておく必要がありそうです。しかしあくまでも現状から推測した予測ですから、今後の施策次第では当然順位変動はあるものと思われます。編集人も企業経営の端くれを担ってきた立場で、この生産性については雇用環境以外にも様々な意識改革が必要だと感じてきました。最も深刻だと思っていたことの1つに、自分の従事している仕事に対して時間当たり生産性や収益性を意識している従業員が非常に少なかったことが挙げられます。換言すれば、人件費×3倍の利益を上げている従業員がどれだけの割合いるのかです。
もう1つはQOLという視点が日本では不足していると考えています。海外と同じ働き方・生活習慣が良いとは申し上ませんが、日本人がこれまで長年大切に守り続けてきた「秩序」「調和」「静謐(せいひつ)」に新たな視点を加えていくことが大切だと感じます。時代とともに人々の価値観は変化していくにせよ日本人の誠実さ・勤勉性まで手放す必要は無く、新たな生活のカタチを模索するのに決して遅すぎることはないと考えてます。