ITベンダーの潮流
2025年05月31日
最近の生成AI技術の進化に伴い、オービックを中心としたERP系システムベンダーの中には人員削減に乗り出している企業も少なくないようです。ERPは業務効率化を軸としたシステムでノーコードで開発できるシステムも誕生していることを考えれば、当然AI技術系にシフトしていくと思われます。オービック社の場合、あくまでも編集人の交渉経験に過ぎませんが余り融通が効かないシステム構成になっており、新たに業務基幹システムを導入する中小規模の企業が増えたことで好業績を継続できている側面が見受けられます。またITベンダーと一口でいってもアプリ開発から音声認識等まで全てをラインアップしている企業は殆どなく、あるコア分野に特化している印象が拭えません。
実際に編集人が企画・開発している公共インフラシステムでも、プロジェクトの規模感にもよりますが複数のベンダーと協業しないと難しいことを強く感じています。確かに新興ITベンダーの中には非常に優れた技術をもった企業があることも事実ですが、実需を鑑みるとAI技術導入を検討している企業は多いもののまだ様子見しているところがあるように感じます。その中でも既に業務系ERPを導入している企業では新規事業への進出などがなければ、いずれ人員余剰になることの前触れかも知れません。編集人とお付き合いのあるITベンダーも一昨年経営方針を大きく変え新規事業に進出しましたが、結果的に費用対効果で見るとおそらく黒字化までの道のりは相当厳しいように見えます。生活利便性向上の反対側で起きている実社会の流れはAI技術に対する当初の期待ラインまで達していない可能性もあります。
政府がIT技術を中心としたサービス産業へのシフトを模索している間に、人手不足と言われる業界でも様々な変化が起きています。これまで人材紹介会社が儲かる仕組みが導入されており、今後は省人化が進むことでサービスの質を競う世の中になると思われます。最終的には人間関係が希薄ともいわれるIT業界にも淘汰が起こることでしょう。