オフィス鴻

ChatGPT(英語圏)

2023年09月20日

英語学習の目的の中に「グローバル化による仕事での使用頻度の増加」が挙げられます。また、高い専門性が求められる通訳・英文学者には英語の深い部分まで理解することが必要ですが、ChatGPTを使いこなすだけなら基礎的語彙力と文法力があれば、翻訳・要約などはAIの活用で対応できます。もちろん、グローバル展開する経営者、政治家(折衝する官僚を含む)は、歴史・宗教・地理・哲学などの一般教養に加えて「人間性のある、相手の心を動かす」ような英語力を高める努力が求められることに変わりはないでしょう。

また、生成AIの和文英訳(英文和訳)の精度も高レベルに進化していることから、英語でのコミュニケーションは、お互いを理解しあえる能力があってこそ、その価値を発揮できると考えるならば、現在の日本の英語教育や学校授業の在り方そのものにも少なからず影響を与えると思います。特に、客観的視点や自分の思考を伝えるディベートの言語化スキル習得は、アイデア(コンセプト)を事業戦略(PPM;Product Market Matching)へと落とし込む作業に不可欠です。また、優れたコピーライティング(顧客へのマーケティング戦略の1つ)はビジネスを優位に進める重要ツールですが、自社ビジネスを正しく理解していない従業員にとっては、大きく立ちはだかる壁のようなものだと考えています。

最近、ある芸人がイギリスのTV番組で紹介されましたが、その成功要因はイギリスに居住する方が理解できるように日本語を英語圏の文化にあう形で英訳したこと、つまり言語化スキルと文化を最大限利用したことにあると感じました。まさに、ChatGPTでは困難な作業領域であり、ビジネスパーソンの必須能力である思考の言語化(ワンページ・ライティングを含む)が具現化された例だと思います。