オフィス鴻

建築施工管理技士

2024年07月29日

最近の転職求人の中で引く手あまたの職業として、建築現場作業をコントロールする建築施工管理技士の好待遇(年収1千万円前後)が目に付きます。建築施工管理技士は建設現場の工程管理(PMO、PMに近い)の専門家ですが、日本では海外諸国に比べて工期厳守が求められるため、必然的に仕事量(時間)が増えて過労死ラインとされる月間100時間以上の時間外労働の常態化から、工程管理専用ソフトが開発されて書類作成等の時間が減少して、長時間労働も是正傾向にあるようです。またIT系DXコンサルタントとは2024年問題をきっかけに既に大小入り乱れた草刈り場のような状態(隠れ倒産も多いと聞きます)にあり、20~30歳代の求人が殆どを占めています。

両者ともに共通しているのは、ベテラン社員の大量退職で経験の少ない若手が自分よりも年配の方と仕事を進めるケースも多いようで、様々なチャンスが若いうちから廻ってくる一方、責任感が強すぎると精神的プレシャーに押しつぶされうつ状態を発症する、納期に間に合わないと会社に隠れて仕事をするなど、高給が得られる替わりに仕事と身体・精神のバランスを保てるワーク・ライフ・バランスの重要性が指摘されています。編集人の周囲にも建築関係の企業経営者がいらっしゃいますが、管理者・作業者共に人材不足が顕著で資材高騰等も相まって無理な営業行為は控えているといいます。以前は一種の企業ブランドであった公共事業でも不調・入札なしの案件が増えていて、仮に好条件で受注が決まったとしてもいつ条件の良い企業へ転職されるかわからず、結局は大手ゼネコン等の下請けとして一種の保険を掛けておくことも事業戦略に組み込まれているそうです。

また、コンサルティング業界も最終的には発注企業側が把握しておくべき事項(業界・マーケット・業務フロー・要件定義など)についての知識・経験が少ない担当者にあたると、受注時までのプレゼンが如何に上手であったとしても、検収・納品受領したあとに起こる不具合への対応に追われるリスクが高まるでしょう。