オフィス鴻

ウェイスト・ピッカー

2023年09月26日

SDG’sにも関連するのですが、世界には生活のために産業廃棄物に含まれる有価物の収集・売却収入を主な生業とする人(ウェイスト・ピッカー)が子供を含めて5千万人以上いるそうです。日本でも、収集したアルミ缶を自転車等に載せて、金属商に持ち込み、換金している路上生活者と思われる方や、行政の資源ごみ回収日に無断で持ち去る方も見かけます。編集人は、その行為を膨大なリサイクル資源として循環させる活動の1つと考えていますが、合法的でない側面はあるにせよ、埋め立て処分を必要としないことから「地域への無償奉仕」だと一定の評価をする動きもあるようです。

その上で、アメリカの一部の州では自社プロダクツの収集・処理費を企業側が負担するEPR法(拡大生産者責任法)が法制化されるなど、貧困問題に対する解決策として環境保護と人道主義を両立させる施策としての実行が開始されています。もちろん、公的セーフティーネット充実も大切なことですが、それ以上に環境汚染(特に海洋マイクロプラスチック、山間部等への不法投棄など)や気候変動(温暖化、強力化)により、今後水質汚染を中心に人類に与えるダメージが少しでも軽減される可能性を高めることも重要な視点でしょう。

また、農林水産省の統計資料(令和3年)では、2030(令和12)年までに日本のカロリーベース総合食料自給率を45%、生産額ベース総合食料自給率を75%に高める目標を掲げています。なお、飼料自給率は25%で、円安や物価高による酪農・畜産業の廃業も増え、ニュージーランドでは家畜のげっぷや尿が温室効果ガスを排出するとして課税する動きもあります。最近では、規格外農水産物を廃棄しない流通ルート(道の駅、食材宅配など)もフードロス対策の一環としてビジネスモデルに取り込まれるようになりましたね。