オフィス鴻

サービス対価と納得感

2023年10月03日

最近、「日本には素晴らしい技術があるのに、高く販売する技術(戦略)が足りないから、相対的に賃金上昇に繋がらない」との論調が増えてきました。平成時代(約30年間)は賃金上昇が微弱である一方、物価面ではデフレ傾向にあったように思います。特に、物価の優等生と言われてきた鶏卵は、鳥インフルエンザや飼料高騰などの影響で世界的な品不足が生じて5割ほど価格が上昇しています。同じように、酪農(牛乳の需要減少)や畜産(食肉)でも農林水産省の施策(施設・機械化への半額補助等)があるにもかかわらず、原乳廃棄や廃業が増加しているそうです。

また、このブログで「Coffee Time(ビジネスクラス)」にも記載しましたが、航空会社にとってファースト・ビジネスクラスの利用者はいわばVIPの乗客です。そして、これからの環境問題(減便)・パイロット(自動操縦)・機材不足などを考えれば、航空会社にとってプレミアム料金設定の座席を増やす平均単価上昇は、限られた経営資源(機材メンテナンスなどを含む)から大きな収益を上げるための十分な戦略性があります。また、国内線にもプレミアム・エコノミーシート導入(1980年代~)されていることからも、長期的な高価格帯設定路線は今後の主流となると思っています。

若干異なる視点ですが、「非代替性トークン(Non-Fungible Token)」を活用したデジタルデータ資産を所有(暗号通貨は非代替性トークンで、換金安全性に課題がありました)する投資家が増えているようです。これは、企業年金が減少傾向にあり、株式投資運用(個人型年金;iDeCo、投資信託;NISA)や美術品と同様に将来的な値上がり益が見込める(もちろん、値下がりリスクもある)可能性もあります。ただし、法整備の途上(資産価値、所有権帰属など)であり、デジタル作品クリエイターに収益還元できる仕組みができたこと自体は、現代社会における価値の多様化と新ビジネスにも関連しており、自己責任を前提とすれば一定の評価ができると思われます。