プレゼンの質と成果
2024年02月29日
編集人が慕っている野澤建二前副学長の依頼で、社会人大学院にて中間流通に関する客員講師(1コマ90分)を務めたことがあります。準備したPPTは20枚で他校で使用したものは一切使い回しせず、1枚当たり2分30秒~3分を目途に進め、最後の30分は質問と次回以降に知りたい講義内容等を書いていただきました。1枚のPPT作成時間は内容にもよりますが概ね30~40分の作成時間を要しますが、己の新たな知識を加筆したりキーライン・メッセージの再編集に繋がることが自分への報酬だと考えてお受けしていました。
また、所属企業内でのプレゼン(本部長以上が出席する経営会議)は事前にある程度の時間を確保して頂き、A4用紙1~2枚に意思決定を求めるための資料(たくさんの字数で構成しない)と、質疑応答時に使う補助資料(PPT3枚程度)を準備していました。基本的に経営に直結する企画内容や調査報告が多かったため、会議の最後にプレゼン時間を置いていましたが、前後の議案進捗によっては30分の予定が10分に短縮されたり、逆に質問・討議が深くなり1時間近くなることもありました。また、特に10分程度になる場合を想定して、事前に資料を配信した上で、当日の出席者に主旨・重要情報を伝える準備は決して怠りませんでした。この作業工程の良し悪しでプレゼンの質とその後の時間の使い方が大きく変わるからです。
そして、先程のキーライン・メッセージ(ヘッドラインの副題)と資料構成が上手くできていれば、あとは出席者(特にディシジョンメーカー)に訴える表現(特に言葉の選択)を徹底的に磨き上げ、余分なところは思い切って削除するのですが、この作業は付け焼刃でできることではなく、普段から自問自答を繰り返して研ぎ澄ましていないと自信を持ってプレゼンできる領域に達することは難しいと思います。つまり、一般論や予防線を張った話し方では相手の琴線に触れることはできないため、自分の言葉で如何に相手に聞いてもらえるかが成功のカギだと考えています。