オフィス鴻

リモートワークの未来

2024年08月14日

日本経済新聞のオフィス賃料動向調査では、コロナ禍を経てバックオフィス部門を中心にリモートワークからオフィスへの回帰(賃料上昇)が始まっていると伝えられていました。一方、IT系エンジニア・プログラマーを中心に定着した感のあるリモートワークですが、従業員が仕事するにあたって様々な課題も浮上してきています。当初は、通勤時間が無くなり身体的疲労から解放されたなどプラス面が強調された一方で、労務管理の在り方・在宅勤務に適した自宅内スペースの確保・人的交流の良い面(対面に依る情報交換など)の喪失などが指摘されています。そして、経営者側の視点から見た場合、本当に勤務時間中に仕事をしているのか、生産性は向上しているのか、本当に必要な業務・人材なのかといったネガティヴ面も懸念されているのが実態でしょう。

編集人は、図らずも病気治療のためコロナ禍以前から実質的に在宅勤務を特例で認めて頂いていましたが、最も重要だと思ったことは自律心がなければ自己成長の機会が減少することでした。その理由は、出社していれば他部署に相談しに行くことができたのに、雑談も含めて収集した情報を企画立案に反映することができなくなったことです。自律的学習は自宅でも出来ますが、ビジネスのヒントになるインプットはできても、小さくても良いのでアウトプット(表現)する場が極端に限られるためです。一方で、従業員がお互いに納得するまで議論ができずに議事録(メモでも十分対応できます)の確認を怠ると、「そんな話は聞いていません」となりがちで失敗等の責任転嫁(他責)する輩も出てきます。つまり、性善説で仕事を進めていくことが難しく、最終的には上司が処理するか、部下に仕事を投げる結果となりがちだと考えています。

ただし、職場で問題を起こす従業員(例えれば「腐ったリンゴ」と呼ばれる、自己保身の強いタイプ)から一定の距離を保てるという意味では精神的ストレスは減るでしょうから、その企業風土、所属部署によってはメリットもあるように感じます。