オフィス鴻

世代間格差と教育

2024年06月30日

先日、編集人が妻と今後の生活設計の話をしていた中で、どの世代が格差に苦しんでいるのかという話題になりました。特に大きな恩恵を受けたのは高度経済成長期に容易に資産形成(毎年大きな所得増加があった)ができた団塊世代とその上の年齢層、これから子育てをしていく年齢層に対する手厚い支援(個人での感覚の違いはご容赦ください)に比べて社会保険料値上げ・増税など40~50歳代への支援が相対的に少ないのではないかということ、氷河期世代全員が苦しい生活を強いられている訳ではなく個人のスキルアップや転職サイトの社会認知度が上がったことなどプラスの側面もある点が見落とされがちだろうと言うことになりました。

また、日本の社会福祉制度やコロナ禍での一時金給付など資本主義を標榜しながらも政治主導による社会主義的な側面(善悪両面)を持ち合わせているように思えます。そのほかにも、申請主義(行政システム上、致し方ないようです)中心の支援制度など義務教育のプログラムに含める必要がありそうです。道徳教育は世界でも類を見ないような日本人の価値観を育て、最近導入され始めた金銭に関する教育もこれからの世代には必要だと思います。

最終的には個々人のアイデンティティ形成過程の違い(これも感じ方の違いはご容赦ください)と個人の資質・能力・努力による面が最も大きく影響するであろうと思います。第二次世界大戦から70年以上が経過して戦禍経験者もご高齢になったことや、医療技術やIT技術の進歩で世の中の仕組みが大きく変容していくにもかかわらず、現代の日本社会にそぐわない戦後に策定され法律改正を先送りしてきた政治・行政のありかたも世代間格差をより強く感じさせる一因のように思います。また、さまざまな方法で膨大な情報が発信され受け取れる現代社会では、情報の正確性と解釈は原則個人の責任範疇ではあるものの、フェイク(デマなど)と根拠に乏しい誹謗・中傷・差別などは時代や技術が進歩しても残念ながら未だに絶えることはなく、永遠の課題なのかも知れませんね。