オフィス鴻

企業内ヒエラルキー

2024年02月17日

最近、大企業やスタートアップ企業で、フラットな組織構成と外部人材の活用が進められ、例えば事業部制・カンパニー制など、従来経営者が担ってきた一部権限を委譲することで組織の活性化と責任の明確化を図ることが主流になりつつあります。従来の日本型終身雇用で機能してきたヒエラルキー(ピラミッド型の序列)の中での力学(昭和は強い人材、平成はノルマ至上主義など)が企業運営にプラスに作用していた一方、モチベーション低下の一因とも言われるポジション不足を解消するため、ジョブディスクリプション(職務定義書)型の報酬体系を導入したり、一部を外部専門家に委託するなど、経営資源である人材に対する考え方も大きく変化しています。

また、マネジメントでも得手不得手以外にも信頼感醸成や相互支援などが重要視され、新たな企業文化への変革が求められるようになりました。しかし、従来型の年功序列、学歴(学校歴)格差、派閥など、未だ見えない格差が存在する企業も多くあり、企業内での出世役職のゴールが部長職だとすれば、早期退職制度を利用して転職する方も増えているようです。もうひとつ、会社法の基幹設計変更が行われて以降、執行役員制度は取締役に替わる出世上りの役職とも言えます。その観点では、個々の企業文化(考え方)が色濃く反映されるのだと感じています。特にコロナ禍が世の中の不安定化と不確実性をもたらして以降は、高利益体質の企業でも早期退職制度の整備が進んでいます。

つまり、組織の中で2割程度(2:6:2の法則)ハイパフォーマーを基準にすれば、自ずと従業員が高いパフォーマンスを発揮せざるを得ず、平均値が継続的に上がっていく組織としての成長を促すのだと考えています。経営者はミッション・バリューを組織全体に浸透させ、従業員の顧客目線での行動規範と併せることで、更に企業価値(ブランド)が高めるのが使命の1つであり、変化への対応が苦手な人、能力が不足している人、自分のやり方でしか仕事を進められない人など、組織変革の中での役割をどう定義するのか非常に難しい課題だと感じます。