オフィス鴻

副村長の公募

2025年06月12日

読売新聞の報道によれば長野県白馬村の副村長公募に県内から18人の応募があったものの、適任者がいないため村議会で副村長の定員削減により対応すると言います。予定任期は4年間ですが、月給59.1万円(他は不明)は決して悪い条件ではなかったものの、交付金・補助金等による村財政(ふるさと納税等)の改善を進める予定でいたそうです。応募条件は日本国籍を有しており民間企業や官公庁などでの正社員として実務経験が5年以上ある30歳以上の職員で、かつ就任後は村内に居住することが条件とされていました。実際に村長による書類選考・面談・小論文などがあったそうですが、「より多くの候補が集まるための公募」として位置付けておりそもそもの主旨が財源獲得にあることは明確です。

ここで疑問に思うのは税収増も大切なことですが、それ以前に白馬村の実情が応募者に正しく伝わっていたかと言う点だと考えられます。地方移住に関しては様々なところで色々な課題が起きているのはご存知の通りで、地方行政の理論(特に選挙)だけでは立ち浮かないと言うのが本当のところだと思われます。もし村長が適任者を採用したいのならば、もっと斬新な考え方をしていかなければこれだけの基準をクリアした人材は応募してこないでしょう。単にふるさと納税の仕組みだけでなく、財政・行政改革をも任せるだけの覚悟が村長にあったのかは不明ですが、なぜ官庁のエリートたちが減少しているのかを考えれば自ずと答えは明確になるでしょう。

白馬村と言えば、パウダースノーに近い雪質と過去の冬季オリンピック以外に目立った観光資源は見当たりません。なぜ現在の村長・村議会議員では改革が出来ないのかを突き詰めていけば、自ずとムラ社会の問題を次世代に解決してもらう視点での本気度が不足しているように感じます。これは国政にも言えることで、ミスをしないことが評価される行政では現在のスタートアップ企業に比べて「やる気・本気のある人材」は白馬村に興味を感じていないことの裏返しだと思っています。