オフィス鴻

外資系コンサルの採用戦略

2024年09月27日

日本の終身雇用制に対する考え方が大きく変わっている中、特定分野に偏らない総合コンサルである外資系コンサルティングファーム(BIG4;PwC・デロイト・EY・KPMG)以外でも積極的な採用を進めており、旧帝大・早慶等以外からの採用数も増加傾向にあります。その理由として、DX導入・生成AIなどの分野で需要が大きく高まっていること、従業員数増加により案件受託数(=売上・利益)が見込めること、短期間での離職者数が増加していること等があると言います。最近は、突出した能力が無くても業務に対するフレームワークとフォーマットが使えれば戦力化までの時間が短縮されていますので、大量採用・大量離職が一般的になりつつあるように思います。

また、従業員サイドはBIG4+大手の出身者であることが、その後の転職・独立に有利に働く(経験重視)メリットも大きいと言いますが、一方では独特の企業カルチャーがあり、代表社員にまで上り詰めるのは極一部です。また、コンサルティングファームでの在籍経験が事業会社で通用するのかは、転職先企業の文化に自ら融合でき既存従業員と馴染む努力が必要です。特に事業会社でコンサルに依頼する案件の絞り込みが行われている現状では、数年後にはDX導入・生成AI活用が一段落して人員過剰リスクも否定できません。

編集人も事業会社内で取引先からの依頼でコンサル業務に近い業務を経験しましたが、受託の判断基準は現在の取引を含めた最適化施策の立案・実行・定着が相手方の経営層の考え方と一致していることでした。言い換えれば、現業部門が納得できるよう靴底を減らす(古い表現ですがご容赦ください)ような行動がすぐにでき、共に前進できるかと言う点にありました。当然高額なコンサル費用に見合うだけの成果を期待して取引先が委託していますので、経営感覚にも優れていることが最重要だと思います。