オフィス鴻

失敗から学ぶ感情コントロール

2024年02月29日

アンガ―マネジメント(Anger management)の必要性を最初に認識したのは、経営企画Mgr兼ロジスティクス部門Directorに配属となった25年前だと記憶しています。当時、P社の日本最先端と言われた物流システムに対抗する新マテハン導入による大規模物流センター建設プロジェクトでPMOが機能せず、また不正確なKPIが報告され、失敗責任のなすりつけ合いをする複数の管理職(上長)の存在を目の当たりにしました。

プロジェクト進行には、PMO以外にも戦略的なコミュニケーション能力、調整力、政治力、人間観察力などの総合的人間力を兼ね備えた人材配置が必要ですが、失敗原因の本質を理解できない上に単なる作業員と化し、部員に責任を押し付ける姿には哀れみさえ感じました。最終的(約3年後)に、編集人は辞表を胸に入れ当時の企画部門上司と3名で社長室に行き直談判の上、半年分の営業利益に相当するマテハン廃棄を提案・実行して改善を図りました。それ以降は必ずPMO業務と要件定義を徹底的に行う習慣が身に付き、失敗から学ぶことが如何に大きな財産になるのかを身をもって知りました。

その後、人事部門へと突然異動(兼務のままです)となり全従業員の25%リストラ推進を実務責任者として経験することになった時も、認知(ゲシュタルト)心理学・行動心理学などからカウンセリング手法を学んでおいたことが役に立ち、まずは当事者の話(殆どが会社や上司に対する不満・中傷でした)を最後までとことん聞く姿勢を貫きました。対象者を決めたのは経営層ですが、身に覚えのない心無い誹謗中傷も沢山受けました。大抵は10分程度堰を切ったように不満を爆発させると当事者の心が少しずつ落ち着いていきます。中には1時間以上、何年も前の出来事を延々と話す者もいましたが、当事者の感情を思えば反射的・感情的に抗弁するよりも、寄り添う姿勢を見せることが大切だと思うようになり、その後の仕事にも生かすことが出来ています。