子供の学習費調査
2024年11月14日
文部科学省による「子供の学習費調査」とは、子供を公立又は私立の学校に通わせている保護者が子供の学校教育及び学校外活動のために支出した経費並びに世帯の年間収入、保護者・兄弟姉妹の状況等の実態をとらえ、教育費に関する国の諸施策を検討・立案するための基礎資料を得ることを目的として、直近では2021年に実施されています。その調査結果では、幼稚園から大学まで全て公立に通う場合の学習費総額は574万円、全て私立の場合は1,838万円とされています。ただし、あくまでも平均値であり学校・学部、自宅・下宿、塾・習い事、留学の有無、世帯年収などでも異なりますが、上記金額には最近は授業料の無償化を実施する自治体、子育てを支援する国の施策拡充などもあり、その差は縮小する傾向にあるようです。
一方、貸与型奨学金を利用して大学へ進学した場合、通常よりも金利や返済条件面などで優遇はされていますが、社会人として収入を得られるようになると支払義務が発生するので、多額の借金を背負った状態で社会へと出ていくことになります。編集人は3人兄弟の長男で全て国公立の学校へ通っていましたが、それ以外でも学校外活動費(クラブ活動等)や通学定期代、さらに食費・服飾費等のお金がかかってきますから、最近よく聞く「(子供時代の)経験の格差」が生じていることは否めない事実だと思われます。実際には諸々入れて上記金額の2倍程度と考えておいた方が無難な気がしています。
実際に約30年間に及ぶ日本のデフレ経済下で、賃金はなかなか上がらず社会保障費・税金は右肩上がりで増加してきたことを考えれば、少子化に歯止めがかからないのも当然の帰結のように思えます。仮に年収1千万円を40年間もらえたとしても可処分所得は生涯収入(4億円に相当)の75%(総額3億円;月50万円×15カ月)にしかなりませんから、日常の生活費、住宅ローン、更に子育て費用となれば、親からの支援(生前贈与など)が無ければ無理な時代に入ったように感じます。