就労困難者への支援
2025年08月07日
日本では75歳を超える後期高齢者が増加の一途を辿る中、70歳以上で働く方は就労事情にかかわらず500万人程度いるものと推測されています。特に労働人口不足が叫ばれる中でも自営業者や独身者がもらう年金が少ないと言われますが、この問題は見る角度によっては様々な意見があることも事実です。具体的には年金があっても生活費不足分を短時間労働で補填したり、生活保護を受ける方もいます。ここに日本人の気質が関係してくるのですが、扶助を好ましくないとする風潮や自己責任論が出てきます。しかし社会全体の変化は当人だけの問題ではないことは明かで、ある意味では政治・行政の責任もあるでしょう。
幾つかの例を挙げれば、医学的にはまだ解明されていないような疾患や障害を持つ方、親族の介護をされている方、離婚等によりシングル家庭となった方などが就労に苦労していることがあります。企業側も積極的に運営上イレギュラーとなる就業者を採用することより、若手のフルタイム勤務者を望む傾向にあることはご承知の通りです。最近は話題にされることは少なくなりましたが、タイミー社などの隙間時間を活用した働き方に登録される方には中高年層の方も少なくないようです。一部ではタイミーおじさんとも呼ばれているそうで、就業チャンスが少ない年齢層なのかも知れません。
それらのことを踏まえて考えてみると、その根底にあるのは社会の不寛容性・社会との接点が非常に少ないこと等があるように感じています。でも一歩俯瞰的で幅広い視野でとらえてみると、社会保障として企業・個人がその費用を負担する構図になっていることに気が付きます。編集人も自身が身体障害者になって気付いたことがたくさんありました。それは日本人特有の護送船団方式的な暗黙の集団心理が、就労困難者にとって大きな壁として立ちはだかっていることです。自分が障害やハンディを負ったりして就労に苦労すれば理解できるのでしょうが、日本人に心の余裕がだんだん無くなっていることの表れのように思います。