巨大プロジェクト利権
2025年01月21日
2021年の東京オリンピック前後から、日本を代表する企業が国際オリンピック委員会(IOC)のオフィシャルスポンサーから続々と脱退しています。1984年にアメリカ・ロスアンジェルスオリンピック開催時から多額の放映権料などが生じるようになり、商業化が進むきっかけとなったと言われています。開催都市・国にとって競技場等のインフラ整備を進めるためには多額の税金を投入する必要があり、今後のオリンピック開催候補地への立候補もかなり減少しているのが現状のようです。また、世界的な気候変動で酷暑化や温暖化による雪不足などが各地で発生しています。この商業主義化が本来のオリンピックの理念からの逸脱を進め、多額のお金が動く利権構造になることは少し考えれば想像に難くありません。開催候補地にとっても、お金がかかりすぎ、国民の支持が得られなければ招致活動も低迷して来ると考えられます。
東京オリンピックでも、某広告代理店からプルシット・ジョブ(なくても良い業務)が異常ともいえる高額報酬で下請事業者に発注されたり、ブルーカー的な役割をする企業・個人への迂回献金・贈収賄などが多発して逮捕者も出ています。昨年開催のパリ五輪でも様々な疑惑やセーヌ河の汚染、選手村での食事・施設、もともと高い周辺ホテル宿泊費の更なる高騰など、もはやオリンピック開催による経済効果を上回るマイナス面が顕著になってきました。その前に発生したCOVID19(新型コロナ)でも、殆ど実態のない企業へのマスク発注を巡って政治家が関与していたことが明らかになっています。
編集人は、贈収賄が常態化している海外(アジア・アフリカ等)でのビジネスや大きな資金が動く巨大プロジェクトでは、発注者・受注者ともに個人・企業側の利権構造に対する姿勢が問われているのだと思っています。一部の企業では、ステークホルダーとの会食・贈答などを禁止している企業もありますが、発注価格を高く見積もり飲食接待やキックバックを受ける従業員がいることもまた事実なのです。