オフィス鴻

成功に導く交渉術

2024年11月09日

初対面の取引先担当者から企業経営者との面会まで、ビジネスシーンの中では必ず交渉が行われています。編集人も20歳代の頃は交渉を含め様々な失敗を経験してきました。その中でも、特に自分の目標や営業成績に拘り過ぎると、いつの間にか利他の精神を忘れてしまい、取引先との関係が上手くいかなくなることがありました。また、相手の意志決定に必要な時間を掛け過ぎるような提案内容では、相手の大切な時間を無駄にすることもあり最終的にビジネスに繋がらないことも多々ありました。言い換えれば、案件の大小にかかわらず最初から本音で交渉に臨むことの重要性を身にしみて感じていた時期があり、こちら側がギリギリ譲歩できる取引条件を示して交渉を始めるように変えてから成約率が高くなってきたのを覚えています。

編集人が最後にお世話になった企業経営者(東証プライム)は、多くのM&Aを駆使して業界のTOP10にまで企業を成長させましたが、その過程でDD(デューデリジェンス)による適正水準より若干高い価格とし、従業員の処遇も10年程度は相手方の要望を受け入れていました。編集人の知っている限りでは、明らかに失敗したM&Aは在職中(約12年)2回だけであったことを鑑みれば、相手方のプライドを極力傷つけないように時間を掛けて少しづつ企業文化の統合を図っていたものと考えられます。もちろん、経営会議等では課題事項を指摘することは日常的であったものの、相手の人格を否定するような発言は一度も聞いたことがありませんでした。ただ、日経新聞等でも給料の高い企業にM&A仲介会社が名を連ねていますが、利益相反にあたらないリーマン方式(買収額×成功報酬率)なのか疑問に思うことがあります。

その点では、経営者同士が駆け引きをせずに自然な形で双方が納得するM&Aを進めることができれば良いのですが、その企業では今後売り上げが数十億円クラスの中小企業M&A案件が増え経営幹部の質がカギになると想定しています。