オフィス鴻

採用担当者の資質

2023年12月14日

帝国データバンクの調査によれば、正社員の人手不足企業は調査対象(恐らく大手だと思いますが)の約50%に上るそうで、転職エージェントビジネスが活況なのも頷けます。一方でいかに売り手市場と言えども、某CMのようにスカウトメール(一部は自動的に送られてきたり、営業サイドの意向で転職者の希望と異なることが多いとも聞きます)がたくさん来て引く手数多の方ばかりとは限らないでしょう。しかし、採用費用(年収の30%程度)・採用した人材に対する企業満足度についての調査結果を見ることは殆どなく、転職後の早期離職者が多い原因も入社を決める理由の裏返しで、求職者が求める「携わる仕事内容(30%)」「人事や社員の人柄や雰囲気(25%)」「事業内容(20%)」との齟齬などだろうと想像しています。

編集人が転職で最も大切にしていたことは、「処遇の数倍以上の利益を継続的に生み出して企業に貢献可能か」「当該企業で働くことで自己満足感と仕事力を高められるか」の2点でした。つまり、企業にとっての転職採用とは言葉を換えればその企業の抱える課題を解決できる人材の採用であり、上位職位になればなるほどプロとしてのマネジメント力が求められます。もちろん、報酬も重要な要素であり、結果が全てとは申しませんが自分の力量・実力より少し上のレベルへの転職が最も人材育成の観点では重要に思います。

また採用側の立場では「伸びしろのある人材」「新たな価値を生み出す人材」を求めていることが多いですが、面接担当者にそこを見分け育てていく力量があるのかは企業次第でしょう。採用を業務と思っているうちはその企業の本当の良さを伝えきれません。そのほかにも、生成AIの登場でコンピテンシー等と理想人材モデルを見分ける仕組みも早晩登場すると思います。期待して採用しても評価が伸び悩む人は少なからずおり、人事・採用部門こそ生成AIとの相性(感情に左右されないマッチング)が良い業務ではないかと思います。