新たなリベンジ退職
2025年09月20日
編集人がこの「リベンジ退職」という内容をこのコラムで取り上げた理由は、20年以上前に人事管掌役員であった頃ある2名の従業員が猛烈な勢いで編集人に詰め寄ってきたことにあります。その不満内容は編集人の前任者が解決を先延ばしにしていたことに起因しており、組織の構造的課題が表面化したに過ぎないと思っています。その後人事評価制度の刷新なども行い、その問題は結果として当該従業員の退職により終了したのですが、今にして思えば当該従業員はストレス等によるメンタル不調を起こしていたのでしょう。しかしどのような理由があったにせよ、一方的な主張は正しい解決方法だとは思いません。
近年退職代行会社に依頼する方も非常に増えているようですが、企業側が代行会社の電話を受けなければそれ以上の行為は代行会社ではできないのが現実です。最も有効な解決方法として労働基準監督署に証拠(メモでも有効です)を提出する方法もありますが、安易に代行会社を使って現実逃避してしまえばその後の再就職にも影響することは良く知られています。急激に職場環境が変化している現在では、企業側の対策が追い付いていない企業ほど退職者が増えるのだと考えています。その観点ではいくら中途採用を含む新規入社者を人数で評価しても、人事管掌者の本気度次第では退職者が増える傾向に歯止めはかからないと感じています。
さらに退職者の傾向を見ると、一般的には期待やコミュニケーションと現実とのギャップ、人事評価制度に対する不満解消、キャリア形成への不安などが挙げられます。その中でも最も重要なのは昭和的要素かも知れませんが、「誰かが自分のことを見ていてくれる」という安心感(心理的安全性)だと編集人は思っています。実際に新卒市場は売り手市場とされていますが、第一希望企業に入社できる方は全体から見れば少数派であり、そのそもミスマッチからスタートしている以上いずれ退職問題が顕在化して来ることは防げません。そのように考えると成果物を定量だけでなく定性評価もする必要性があるのだと感じます。