オフィス鴻

生きるとは(田坂広志氏)

2023年12月21日

30歳代後半に「なぜ、マネジメントが壁に突き当たるのか(PHP研究所)」という田坂広志氏の著書に巡り合い、その他の著書でも「運気」「知性」などといった非常に抽象的で証明されていない分野に科学的仮説からアプローチされていたのですが、正直何度読み返しても理解できないところが多くありました。また、著者は東京大学工学部で原子力工学を専門に研究されていた上で、科学的根拠を基にしても説明できない事象を自らの体験(病気で死と隣り合わせた)と重ね合わせながら仮説検証していくスタイルは、編集人の仕事や人生への考え方に大きな影響を与えていただき心から感謝しています。

もちろん、田坂氏の考え方を編集人なりの解釈を加えたうえで主に仕事(時間の使い方と人間関係)に活用しています。また、1990年代のバブル景気崩壊以降、日本のワークエンゲージメント(仕事満足度)を感じる割合は数%で世界でも最低水準だとの米系調査会社のデータもありますが、昨今の給料の増加、実力に合わせた人事制度導入による評価などは一時的な満足感は得られても、継続性がないと再び下降傾向を辿るように感じます。個々人が自律的・能動的に仕事に取り組んだ成果が評価されれば「自身の成長のために時間と報酬を活用する」ことが大きなチャンスをもたらしモチベーション向上に繋がる半面、「自分に与えられた時間を給料(金銭的価値)と引き換えに生活する」のであれば、何れを選択するのも個人の裁量(事由)であり平等に与えられた時間に対する価値に個人の考え方に違いがでて当然のことだと思います。

当初、表題を「死生観」としていましたが、結論の出ずらい重たい課題(先述の「科学的根拠を基にしても説明できない事象」)対して自ら積極的に取り組むことで自分自身の生きている価値をいつでも見出せるようにと変更しました。今は毎日が自己実現のチャンスだと考えて、気になったことはまずは調べてから少しづつ行動に移してしてみるようにしています。