派遣社員の労働災害
2025年02月17日
働き方の多様化が進む中、平成16年3月に行われた労働者派遣法等の改正に伴い、派遣先及び派遣元の事業者双方が所轄労働基準監督に労働者死傷病報告を提出することが必要になりました(労働安全衛生規則第97条)。人事部門(労務)に所属していると、特にケガの場合は医療機関で私傷病・第三者行為(事故・傷害)・労災なのか尋ねられます。実際に、派遣社員が労災事故によって死亡・休業する方は1年間に500名以上いて、特に製造業で慣れていない業務に就いて労災事故となるケースは全体の25%に上るそうです。しかし、労災事故が発生すると派遣先によっては労働基準監督署による調査が入ることを避けるために、「労災隠し」をするケースがありますが違法行為に該当します。
通常、労災事故といえば業務中に負傷(ケガ)するケースが殆どですが、健康保険を使うことはできず、休業時の補償等についても別途定められた労災保険給付が行われます。その内容は厚生労働省のHPに掲載されていて、療養補償給付(医療費)は「療養補償給付たる療養の給付請求書」を提出するため本人の自己負担はありません。更に休業が4日以上になると休業補償給付が支給されますが、4日未満の場合には使用者が休業補償を行うよう定められています。その他、障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、傷病補償年金及び介護補償給付などの保険給付もありますので、事故の大小にかかわらず正しい手続きに則り労使申請することが重要です。
また、職場でトラブルになるケースの1つに腰痛があります。そのため、編集人が立ちあげた運送専業子会社では面接時に腰痛による通院歴の有無について確認するようにしていました。中には慢性腰痛を隠して入社した後、業務上のケガとして給付金を申請することを転職しながら繰り返す者がいるためです。特に他覚症状がない慢性腰痛は素人判断は難しく、過去の通院履歴などから労災ではないことを雇用者が証明するのも容易ではありません。人手不足であっても、採用時のリスク管理が重要な所以です。