確定申告のポイント
2024年02月12日
今年も医療費控除等の還付請求が全体の6割強を占めている確定申告の時期を迎えました。昨年までは、仮想通貨の億り人やYouTuberの広告配信収入に対する税務調査と追徴課税、更にはパパ活に対する課税(企業の人件費等で経費化されているもの)でなどが話題になっていましたが、今回からインボイス制度に加えて副業・兼業などの収入を申告される必要がある方も多いと思います。一般的には、給与などを支払うときに源泉徴収をする所得税及び復興特別所得税は甲欄(勤務先からの収入)として年末調整および特別徴収されますが、乙欄は扶養控除等申告書を勤務先に提出するのを忘れてしまった場合や、副業等で2カ所以上の企業から給与の支払を受けている場合に使用されます。丙欄とは、日雇い賃金や2か月以内のパート労働に適用されます。
昨今の働き方改革で多様な働き方が拡がっていく中で、正しい税務申告をしないと後日税務署から調査や追徴課税があったあり、悪質な場合には重加算税が延滞利息とともに徴収されることになります。また、個人事業主であっても雑収入(事業に関連した収入)や雑所得(事業に関連しない収入)も申告する必要があります。給与所得者で気を付けなければならないのは、就業規則等で副業・兼業などが禁止されている企業では、仮に年末調整で申告せず確定申告で納税したとしても、住民税額から副業がばれるため後日懲戒を受ける可能性があることです。
そのほかにも、メルカリ等のサイトでのせどり(他人から商品を仕入れて、第3者に転売して利ザヤを稼ぐこと)収入なども申告対象となりますが、扶養控除が受けられる収入範囲を越えれば当然健康保険や扶養控除は無くなりますし、そもそもせどり行為自体は古物商の許可が無ければ行えない行為に該当します。しかし、日常的に収支管理(仕入れ・売上・経費)をしておかないと、3月15日の確定申告期限に間に合いません。そして、住民税は前年度の所得に対して翌年6月から課税徴収されますので、転職・定年等による退職時には勤務先からの源泉徴収票を確認しておくことが大切です。