管理職の魅力(人格)
2023年07月10日
一般的に人格とは「(個人としての)人間性が優れていること」を指すことが多いです。リクルート(2022年)、産業能率大学総合研究所(2021年)の調査では、上場企業の部長・課長の6割が組織課題としてミドルマネジメント層の部下育成に対する過重な負担を挙げ、9割超がプレーイングマネージャーとして実務と労務管理の両方をこなしているそうで、一見周囲からはあまり楽しく仕事をしていないようにも見えますよね。
最近は、欧米で導入されているジョブ型雇用への移行を模索する大手企業(日立・リコーなど)が増えていますが、これまで企業への貢献に対して「昇進」という形で報いてきた日本企業でも、フラットな組織への移行により管理職(ポジション)数自体が減ってきました。つまり、欧米では部下育成を主体とした職務定義書(Job Description)が中心ですが、日本では部下の潜在能力を引き出し、後継者候補を自分の後任として育成していくキャリア自律化という面では、上司・部下双方のリスペクト(尊敬)が重要でしょう。言い換えれば、管理職の人事評価制度の歪みが生まれ、管理職に求められる能力と評価基準の再定義(入学方式/卒業方式)を行うべき時期にきていると感じます。
また編集人は、管理職ポストに魅力を感じない従業員が増える中で「日本型ジョブ雇用」に最も不足している要因の1つに、人間的魅力(人格)に乏しい管理職の存在があると考えています。もし、その管理職の育った家庭環境、生きざま、教育水準などが、仕事の進め方、人材育成等に良くない影響を及ぼすならば、今一度全管理職に対する適性基準評価(部員の意見も含めた経営的な総合判断)の実施が必要だと感じます。なぜなら、学びには年齢制限はないのですから、自分の言葉や行動で「仕事の楽しさと意義」を伝えられず人材育成が出来ない管理職の入れ替え、再学習を含む判断ができる人材が人事部門にいるのかが、大きな経営課題となっているように思います。