オフィス鴻

終身雇用の着地点

2024年08月28日

日本企業の多くが採用してきた「メンバーシップ型雇用」から「ジョブ型」雇用への移行が進んでいます。それぞれの特徴から働き方の多様化・人材確保の困難さが合いまった企業側の本音が見えるように思います。ただ、共通しているのは企業・従業員の価値観は決して同じものではないことです。あくまでも編集人の推測に過ぎませんが長期雇用(定年後再雇用を含む)による恩恵を受けているかわりに、毎日泥水を啜っているような状態で必死に組織の中で居場所を確保している方も多く、SNS等で高級マンションに住みぜいたくな暮らしをしているインフルエンサー(YouTuberなど)は極々一部で永遠にその生活が保障されている訳ではないでしょう。

編集人自身も、身に覚えのないやっかみや誹謗中傷を受け15年間勤めた専門商社を退職しましたが、叩かれても折れない杭となれるよう日々猛烈に働きスキルアップして専門性を高めたことが、結果的に現在の生活に繋がっていると感じています。ある程度の期間(2~3年)同じ部署にいれば、性格の合わない上司・同僚がいたとしても担当業務から学べることは沢山あり、また一種のスペシャリストとして企業内で活躍する機会に恵まれることもあると考えています。一時期FIRE(早期リタイヤ)がもてはやされましたが、アメリカでもスキルアップ型転職は自ら複数企業を渡り歩き、より条件の良い職場でポジションと処遇を上げていく代わりに、いつレイオフを申し渡されても困らないよう株式等への投資を積極的に行っているといいます。日本のNISAに対しては有識者から様々な意見が出されていますが、最終的には転職・投資ともに自己責任であることに変わりはないでしょう。

なお、終身雇用制度に関連して定年延長・役職定年制の廃止を行う企業が徐々に増えてきましたが、その裏には企業内に潜在的失業者予備軍(おそらく従業員全体の1~2割程度)の存在があり、心ならずも自己保身のためには他人の足を引っ張ったり、責任を他人に押し付けることもあるのだと考えています。