オフィス鴻

老後破綻への事前対策

2024年11月15日

編集人が現在の居宅を購入した30年前には、一般的な目安として世帯主の年収の5倍までの借入、月間可処分所得の25%までの返済額に収めるといった目安がありましたが、現在は住宅価格の高騰や低金利の恩恵もありペアローンで年収の10倍近い借り入れを行い、また50年ローンを利用して80歳までの住宅ローンを組む方の話を耳にするようになりました。日本の法律では60歳以上を定年とすること、65歳までは再雇用制度を設けること等が決められていますが、限界ギリギリまで借りた場合には定年時の退職金でも返済できず、子育て等や疾病等により収入が減少してしまうと、資金繰りができなくなるリスクが伴います。繰り上げ返済や固定・変動金利の選択などはファイナンシャル・プランナーが色々なところで自説を展開されていますが、老後資金確保まで手が回らないことも当然考えられます。

編集人の場合は、子育て費用・老後資金等のことも考え配偶者の収入は通常の生活費には充当しないようにしていました。また幸いにもバブル崩壊後とは言え給料増加額が比較的多かったこともあり、ある程度自由に使える余裕資金ができると繰り上げ返済をしながら、家族との食事や旅行等にも行っていました。今にして思えば、57歳で一旦難病治療のため企業勤めはリタイアしましたが、住宅ローンは完済しており他に借入金もないため贅沢しなければ老後は年金等で普通に暮らしていける目途がついたことで精神的にも非常に楽な状態にあります。また、人間の健康年齢は75歳くらいまでと言われており、身体が動くうちにしか出来ないことに自由度の高い余裕資金を使えたことは幸いでした。

因みに、東京23区では出生率が1を切ったと報道されていますが、実態は比較的若年層~ミドル層の単身者が増加していることや地方からの転入者が多いことなどがその原因として挙げられてきました。一方で、社会学者等の中には、地方経済衰退と都市部の変容(生活困窮)を懸念する声も一定数あることもまた事実です。