オフィス鴻

障害者の就業・共生

2024年03月03日

昨年、北海道の知的障害者施設で45年間に5千万円以上の障害年金を横領していた支援施設が従業員から訴えられました。ここに市議会議長が加担し、行政側への忖度行為が事件の発覚を遅らせる原因だったようです。編集人も障害年金を受給していますが、一部の例外を除けば個人口座に入金されますので、行政担当者との間で不正のからくりが仕組まれた犯罪だったのでしょう。また、他施設でも助成金不正受給・労働契約書の違背行為(別職務・勤務時間の改竄)は後を絶たないようです。

また、以前から知的障害の保護者と話をする機会があり、良く保護者の方から障害者就労支援事業のB型(雇用契約のない成果報酬工賃で小遣い程度)による収入と障害年金だけでは親が亡くなったあとは子供の面倒を見ることができないので、せめて介助を得ながらでも生活できる程度の収入は得させたいとの言葉の重みを噛みしめて、施設運営を担っていただきたいです。また、編集人が市議会議員と障害者政策の話をしたときに、愛知の久遠チョコレートという法人の取り組みを紹介して頂きました。5年間全国24か所で300名以上の障害者雇用のうち、A型支援事業(雇用契約で最低賃金が保証されている)は僅かに17名程だと伺いました。障害者法定雇用率はあと5年程で3%まで上昇するとの政府方針もありますが、中には不登校や引きこもり経験者などの困難を抱える若者の雇用が行われている事業所もあるそうです。

その他、石川県の温泉施設ではそば処のホール接客、温泉の掃除、スポーツジム受付、カフェの接客、さらには障害者が珈琲豆の選別から自家焙煎の豆をサイフォンで淹れて提供するコーヒーなどが頂けるそうで、職場には障害のあるなしに関係なく近隣住民と一緒に作業をすることもあるそうです。ごちゃ混ぜ感の環境で共生することは、こどもの頃から健常者と障害者と縦割りで別々に育つ環境などがあればこそ多様性(ダイバシティ)を身を持って感じ、理解できる環境があったと議員の視察報告にありました。