オフィス鴻

食材の直販

2025年03月21日

PRESIDENT OnLineの記事によれば、瀬戸内海のある岡山県で消費者から注文があった分だけ漁業をすることで、価格競争に巻き込まれず過剰になった海産物の廃棄も減り結果的に仕事時間は半減、収入は2倍になった実例が掲載されていました。瀬戸内海と言えば魚の種類が豊富な漁場として知られており、漁網の網目を大きくすることで小魚の乱獲を防ぐ(網目から自動的にリリースする)ことで、地元の水産資源を守る行動にも繋がっているそうです。しかし、難しいのは注文量に応じた漁獲量が常に確保される訳ではなく、販路開拓と同時に不漁時の供給をどのように組み立てるのかと言ったビジネスモデルでしょう。

実際にJA(農協)を通さずに農産物を販売する生産者が増えてきています。しかし、この方式では直販が採用されるため漁協の収益は減少する仕組みであり、一種のムラ意識のような疎外が起こることもあり得ます。最近の傾向として収穫だけでなく、商品への加工を含めた第6次産業化(原材料に付加価値をつける)が進んでいることを考えれば、既得権益化された組合方式運営も大量収穫・大量消費の時代から、必要収穫・必要消費へと軸足を移す時期に差し掛かっているのかも知れません。最近は、有名な場所(観光地等)よりTVドラマなどは意外性を重視した日本人にもあまり知られていない製造現場(例えば、ウイスキーの「竹鶴」など)を題材にすることも多く、価値観が多様化してきたように感じます。

農林水産省でも「農林産業未来プロジェクト」と同様に、水産物の冷凍技術の発達・加工(2次)・直販(3次)・レストラン経営など一種のブランド化によって、若い世代の就業を後押ししています。それでも、これまでの流通を変革するのは簡単なことではありませんが、仮に個人事業主として第一次産業に参入したとしても最低限の経営知識を身に付けておくことが結果的に働き場所や収益化を促進することになると考えています。これまでの固定観念の呪縛から解放されるきっかけになりそうですね。