オフィス鴻

50年の時を超えて

2026年01月31日

最近はSNSの発達で昭和時代には当たり前だった手紙などのコミュニケーション手段が変化していて、TikTokなどで外国人が日本の昭和時代の楽曲を熱唱している様子も投稿されています。編集人の学生時代は1970年代から1980年代前半にあたりましたので、日本のポップス界がニューミュージックやシンガーソングライター、そしてアイドル全盛期となっていった記憶があります。その頃は小遣いだけではコンサートチケットも買えずにいましたから、FMラジオで流れる比較的音質の良い音楽をカセットテープに録音して、テープが伸びるまで繰り返し聴いていました。

そのような背景があった中でも編集人が良く聴いたりLPレコードを買ったのは、太田裕美さんと言う当時はアイドル路線とは少し離れた立ち位置の歌手でした。その代表曲は「木綿のハンカチーフ(1975年発売)」で、地方から都会へ出てきた男性と地方に残って男性を待っているという対話形式で、かつ相互に徐々に想いがすれ違っていく歌詞が大ヒットに繋がりました。ここに太田裕美さんの独特な声と歌い方が重なることで、当時の社会背景を彷彿させていたのだと思います。編集人は今でも時折この曲を聴いていますが、時代を経ても褪せない何かがあるように感じています。

もちろん現在の社会背景とは大きく異なっているにしても、この楽曲には男女の感情だけでなく今でも続く社会的構図における日本人特有の感性があるように考えています。例えばよく引き合いに出されるのは、現在の若者と昭和時代を過ごしてきた方の働き方に対する認識ギャップが挙げられています。現代は何事も生産性で物事が語られがちですが、相手に見返りを求めない行動が確かに昭和時代にはあったと感じます。もちろん昭和の働き方にも多くのハラスメントがあったことは事実ですが、この曲から何かを感じさせて貰えているように思うのは編集人だけではないでしょう。