オフィス鴻

QBハウスの値上げ

2024年10月19日

約30年間に及ぶデフレ経済下で、日本は給料は上がらず社会保険料等の増加負担に耐えながらも、ゼロ金利対策等やデフレビジネスにより極端な貧困化が全国民に蔓延することはありませんでした。しかし、若手・大企業を中心に賃上げ基調が進む中、非正規雇用者・中高年齢層・年金生活者などを中心に相対的格差が拡がっており、また子育て支援施策も迷走している感があります。編集人の親世代は、まさに高度経済成長真っただ中で住宅ローン金利が高くても賃金上昇率が上回り10年程度で全額返済できたそうです。また、ゼロ金利政策で1%を切る住宅ローン金利が当たり前ですが、編集人の頃は3%台後半であったものの、現在ほど住宅価格は高くはなく贅沢をしなければ普通に持ち家を取得することができた時代でした。

さて、デフレビジネスの例で言えば100円ショップ(ダイソーなど)や1,000円カット(QBハウス)が消費者に支持され急拡大していましたが、最近の為替相場変動により原材料費・人件費等の高騰で100円から300円程度の価格帯へシフトしたり、カット料金を値上げ(1,350円)するなど、もはや企業努力だけでは収益が得られない時代へと変わってきているのを日常生活でも感じます。また、食品メーカーは数度の値上げや減量を行っていますし、一部では新米の値段が2倍近くに跳ね上がるなど便乗値上げに近い価格転嫁は企業戦略として当然に行われています。編集人宅でも5kg3千円台だった福島産米(親の出身地を支援)が9月には8千円になり、食卓の様子もこれから変わってくることでしょう。

また、来年の衆議院選挙に向けて様々な議論が交わされ、水面下では駆け引きが続いているようですが、岸田政権が残した負の遺産をどのようにして現実的に解決していくのかが衆参選挙の焦点になるでしょう。仮にどの党が政権運営を担うにしても、もう少し国民に理解される政治を望みたいですね。