エッセンシャルワーカー
2024年06月01日
エッセンシャルワーカー(essential worker)とは、医療・介護福祉、教育・保育、電気・水道・ガス、政府機関・地方自治体、交通機関、食品・日用品の取り扱いといった、もし提供が途切れれたら国民の日常生活に大きな支障をきたす分野の職業に就く人々を総称して指します。ただし、日本では法律としてその定義は定められておらず、各自治体が独自の見解で使用しています。コロナ禍の緊急事態宣言下でも多くのエッセンシャルワーカーが社会インフラの維持に不可欠な労働をこなすために、新型コロナへの罹患リスクを負いながらもプロ意識を持ってその使命を全うされていました。
社会全体でリモートワークが進む中、コロナ禍の最前線で社会生活を維持している「緊急事態宣言時に事業の継続が求められる事業者」として職種を定め、エッセンシャルワーカー向けに政府は最大20万円の慰労金を給付しましたが、各企業でも殆どが特別手当や感謝金等の名目で金員を支給して労い、昨年5月に第5類に変更されてからは、多くの企業が新たな働き方にむけた取り組みを行っています。なお、編集人がこの話題を取り上げた理由は、現業(現場)で社会的に評価が低い職種(介護職、トラック輸送、ドラッグストアなど)に対する思いがあり、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」の諺のように感謝の気持ちや処遇改善・業務改善を進める大きなチャンスであり、このタイミングを逃すと更に人手不足になるリスクが非常に高いと感じているからです。
現在、政府が保育士や介護職員の給料を上げると表明したことは画期的でしたが、中身を見ると他産業平均賃金に遠く及ばない金額(保育士は月9,000円、介護は月6,000円)であり、その根拠は全く不明であるだけでなく、全額が運営法人が中抜きせずにソーシャルワーカーの手に渡る仕組みを作り検証するのは最終的に自治体任せになることでしょう。ふるさと納税のコラムでも述べましたが、まず制度ありきでは限界があると感じています。