オフィス鴻

ベネズエラとアメリカ

2026年01月10日

アメリカ軍が南米北部にあるベネズエラの大統領夫妻を特殊軍隊を使って、今年1月に拘束しました。目的は麻薬運搬ルートの撲滅や違法入国のために同国から中米を経由して来る違法移民対策とされていますが、実際のところは経済破綻しているベネズエラをもし中国が支配するようなことになれば、石油資源等だけではなくカリブ海沿岸に共産国家連合ができることへの防止策だとされています。過去の西大西洋に於けるアメリカの軍事行動ではパナマ侵攻が知られていますが、逆説的には西太平洋にある中国への対応は日本を含む諸国が行わざるを得ない状態になりつつあるのだと考えています。

また侵攻方法も現代戦に於ける電力網遮断・通信ブロック・軍事力の無力化などでインフラを麻痺させることからはじまり、アメリカ最強とも言われるデルタフォースが投入されて大統領夫妻の確保と国外への移送が行われていたそうです。ただこの軍事行動が麻薬テロリストの撲滅を目的とすることで、軍事行動ではなく法執行として行われた点が注目されます。その後の同国内に於ける混乱ぶりは、同国軍が特段大きな動きをして居ていないことを見てもわかります。この作戦は「サザン・スピア作戦」と呼ばれていますが、アメリカの論理(麻薬テロ)はアメリカの対応が自衛権なのかと疑問視されています。

アメリカ国内(民主党・共和党)でも様々な意見があるようですが、例えばロシアはこれまでの軍事協力が役に立たなかったことを露呈し、中国は多額の投資と原油権益を失う可能性があります。キューバ危機を当時のケネディ大統領が直前で中止したことなども含めて、周辺国も警戒を含めているでしょう。もう1つは既存権益に対する強権支配と本当に麻薬テロが亡くなるまでには、相当の時間を要すると考えられます。前マドゥロ大統領も言動・独裁に問題があったとしても、例え原油産出国であれども大規模なインフラが進む同国民の安全が非常に気になる編集人です。