マイナ救急
2025年05月23日
これまでも医療費抑制・救急搬送の過重負荷などの課題について私見を述べてきました。例えば不要と見做される救急搬送依頼には選定療養費を加算する、可能な範囲でジェネリック医薬品を選ぶ、医療関係者の本来の業務とは異なる負荷を減少させるなどです。政府も医療費を4兆円削減する施策を「能力(財産)に応じた負担の徹底をベースに、医療DX推進による電子カルテの推進・処方箋の電子データ化・医療の質の向上と従業者の処遇などを順次進めています。また、評判の悪かったマイナンバーカードと保険証の一体化もいずれこれらの施策の中で着地点が見えてくることでしょう。
表題のマイナ救急は救急搬送等を管轄する消防庁がマイナ保険証所持者を搬送する際に、かかりつけ医療機関・服薬情報などの情報を活用して意識がもうろうとしていたり意思の疎通が難しい高齢者等の患者の救急搬送に活用する取り組みです。消防庁によればこの取り組みを2026年度から全国規模で実施したいとの意向だと言います。実際、今年2月に編集人は自宅内で体動不全に加えて初めて意識レベルが極端に低くなる症状に襲われました。妻が救急要請をして救急車が駆けつけてくれたのですが、万が一に備えて治療に必要なものは全て置き場所を決めていたのですが、搬送病院を探すのに60分の時間を要したそうです。殆ど記憶が無いのですが編集人は「搬送先が決まらなければ自宅に戻して頂き、他の救急車を必要とする患者さんを優先してください」と何度も譫言(うわごと)のようにお願いしていたといいます。
結局自宅から5分ほどの救急病院へ搬送・4日間入院したのですが、特に2月あたりは脳疾患や肺炎患者が多いらしく大学病院側も満床に近く対応に追われていたそうです。その後主治医のいる大学病院で外来診療を受けた際に同院ERが受け入れを断った理由を聞かれたので、「忙しいようでしたと聞いています」と答えたら何とも悲しそうな顔をされたことを覚えています。それだけ医療現場が逼迫しているのかも知れませんね。