オフィス鴻

中国のタンクローリー

2024年09月22日

中国国内で、ガソリン等の化石燃料を積載したタンクローリー車が納品後にタンク内洗浄を行わずに、食用油を日常的に積載して輸送していたことが、あるジャーナリストの追跡調査で判明したそうです。しかもその輸送事業者は国営企業であり、従業員の間では「公然の秘密」として行われていたと言います。政府(共産党)は調査チームを設けて対応策を協議、違法行為に対して厳しい取り締まりを実施する方針だと伝えられていました。中国の食品衛生管理では粉ミルクによる健康被害、汚染された池で養殖されたニセ上海蟹(本物は陽澄湖産のみ)の問題について報道された記憶がありますが、調査すれば更に様々な食品被害が表面化する可能性がありそうです。

その背景には、現在までの中国の政治体制に起因する様々な問題があると言われています。具体的には、武漢からコロナが拡がったことに対する国際機関による現地調査すら拒んだことや、共産党党幹部による汚職・疑惑、大学卒の就職内定率が50%程度と極端に低いこと、外資系企業の中国からの撤退による経済悪化、内モンゴル地区住民への弾圧行為、国際法上で認められない一方的な岩礁等の占領等、厳しい不動産不況、一人っ子政策の弊害(結婚適齢期の女性が極端に少ないなど)など、大凡国民の安全を守るという面で他国と比較して遅れていることや覇権主義的な政策がこの先いつまで続くのか判りません。その他にも、優遇される共産党員への若い世代の加入が増えているのも失政の裏の一面のように感じます。

また、台湾海峡で紛争が勃発すれば少なからず日本経済・政治にも影響を及ぼすことでしょう。また、トヨタを先頭に自動車メーカー全体で性能試験問題があったように、国内の製造力の基礎を支える産業基盤の凋落(製造業に対する就業意識)とコンプライアンス感覚の欠如が露呈しています。偶々中国での事例かもしれませんが、耳障りな内容でも経営者が正しく受け止めてくれる企業こそ必ず陽が当たる日本社会になることを期待します。