中国裕福村の現在
2026年01月07日
今から10年ほど前、中国江蘇省の華西村は中国で最も成功した村として報道されていました。その村は「中国一の金持ち村」と呼ばれていて、村内には豪華な一軒家が多数建設されたほか、シンボルとなる地上72階建ての高層ビルがそびえていたことを思い出します。この華西村はかつては非常に貧しい農村でしたが、中国の改革開放路線の下で、ある村民が集団経済システムと呼ばれる村民収入を村営企業や製造業等に投資することで、2010年位には年間6,000億円の売上高を計上していたと言われます。ただ中国のことですから、数値等の信憑性を疑問視する声もありました。
その背景には経営幹部がトップに服従すると言った中国特有の事情があったとされていますが、日本企業の中にも経営陣が経営への監視的役割を果たしていない企業も多く、決して他人事では済まされない現実があります。編集人も「社長が言ったのだから絶対命令だ!」という幹部社員に「もうしそうならば社長の命令にはどんなことでも従うのですか?」と問い返したところ、相手がしどろもどろになってしまった経験があります。その理由はもしその企業にどうしてもしがみついていたかったのだとすれば、現場の従業員に対して社長の意図することを十分に説明できないことが原因でした。
しかし華西村ではイエスマンしか残らなくなり、村営企業は2年前に8兆円の負債を抱えて事実上の倒産に至りました。住民は最盛期には高級外車を乗り回し、教育費・医療費・食費等も全部無料といった施策をとっていましたが、現在となっては2,000人ほどの住民は当時のこと(文化大革命など)について口をつぐんでいるようです。そこには、この村民が共産党委員会幹部であったことが関係しているとされています。実際に中央政府の監視下から逃れるたちで事業を行っていたことが後に世界の工場となる中国の先陣を切った形になり、村民に多額の株式配当原資となったとされています。



