中東の弾薬庫
2025年04月21日
イスラエル建国前から争いの堪えない中東には、数多くのアラブ系を中心とした宗教的・人種的対立の構図があります。今年1月にイスラエルとパレスチナ自治区(実際にはイスラム組織ハマスとの対立)がアメリカ・カタールが仲介役となって停戦合意しました。2023年にイスラエルがハマスの行動を理由にして、ガザ地区への攻撃・侵攻を開始して以来、約1年以上続いた紛争ですが、パレスチナ側の一般市民約5万人が犠牲となりました。また、日用品・食料等の補給路を断つと言う兵糧攻めを行ったこともあり、イスラエル国内でもネタニアフ首相への批判が起こっているようです。一見イスラエル(ユダヤ人)がパレスチナの土地を強引に奪って建国したように思われますが、その原因として良く取り上げられるのがイギリスの植民地政策の失敗(詳細はここでは割愛します)とユダヤ人への差別(第二次世界大戦中のドイツ)だと言われています。
日本でも、ロシアとの北方領土、韓国との竹島、中国との尖閣諸島といった領土問題が存在しますが、いずれも歴史的背景や公文書等から日本の主張が正しいと考える国が多数を占めています。それでも紛争が続いているのは、国家間の外交上の駆け引きに加えて、内政に対するアピールが存在するからだと考えられています。実際に韓国・中国では反日政策によって、自国民の不満を和らげることが公然と行われており、世界から集まった留学生の意見を聞いて、これまで教えられていたことが間違っていたと気付く方も多くなってきているようです。さらに、日本の外交は一見弱腰に見えますが、戦争放棄が憲法で定められている以上強引な手法は取らずに粘り強く交渉していると感じます。
さて、中東紛争に話を戻しますが、これまでアメリカとロシアが対立する構図がソビエト連邦が崩壊して以降徐々に弱まっていました。しかし、ウクライナ紛争の例を見ても北朝鮮が兵士を送り出し、中国がイラン支援を強化するなど新たな国家間の権益による対立構図が生まれているようです。