オフィス鴻

医師と患者の関係

2025年12月18日

大学病院等の大規模医療機関には、近所の小規模診療所・クリニックでは心配だからという理由で訪問する方もいます。大病院志向とも呼ばれ、外来診療の待ち時間が長かったり選定療養費という病院独自の費用(概ね3,000~10,000円程度)を医療機関の判断で徴収できるようになっています。大規模病院は診療科の中に各々病気に特化した専門医がいますが、小規模医療機関では血液検査1つをとっても検査機器がない・古いタイプの物だったりすれば外部の検査業者に依頼します。しかし余程のことがない限り他科へと繋いでくれないので、地元の医師と懇意にすることは有効です。

そこで課題となるのは、医師と患者の意志疎通がズレてしまっている場合でしょう。医師(医学博士)は医学的所見・知見に優れていますが、患者の生活面に関しては患者の主訴に応えることができないのも事実です。そのことが何となく医師に対する患者の評価に繋がっているように思われますが、本当に数をこなす医療機関もあるといわれていますね。つまり主観的な他覚症状に関しては医師は治療できても、個々人の感情にまでは深く踏み込めない場合もあるでしょう。その場合には他の医療従事者(ソーシャルケアラー・心療療法など)を活用することが良いと考えられます。

しかし医師も人間ですから、この患者はもう少し診てあげたいと語る大学病院の医師がいることも事実です。特に大学病院の使命の1つに難病治療・難しい手術でその後の状況が良ければ、厚生労働省の方針で他の中小規模医療機関を受診するよう勧める役割もあります。つまり仮に礼節をもち態度の良い患者が最後まで同じ医師に面倒見て頂けるのかどうかも、このような優先順位に影響する可能性は否定できません。ただし公立病院等では贈答品の受領をお断りするルール(賄賂になってしまう)もありますので、如何に主治医と良好な関係を築けるのかも大切だと考えています。