オフィス鴻

医療機関でのカスハラ

2025年10月18日

大学病院で診察待ちをしていると、時折ものすごい剣幕で患者が医療スタッフを怒鳴り付けたりその業務を止めざるを得ないような場面を目撃することがあります。医師には応召義務(正当な事由がなければ診察治療を拒んではいけない)があるにしても医療スタッフ等を恫喝するような患者、つまり刑事事件に該当するようなカスハラ行為を行うクレーマーには毅然とした対応をとって然るべきだと思われます。このことは医療スタッフなどが強く言い返せないことを知ったうえでカスハラしているケースも多いとされていますが、従業員を守る姿勢を医療機関側が示すことで抑止効果に繋がるでしょう。

実際に最近は医療スタッフ(医師・看護師・技師・事務員等)への暴言・暴力・過剰要求等に対して、警察へ通報する旨の掲示を行う医療機関が増えているように感じています。しかしカスハラ行為は本人だけでなく診察・治療で外来する他患者にも迷惑が及びますし、何より正当な理由のないハラスメントは暴力行為と同じと見做されます。以前は高齢者によるハラスメントが多かったと記憶していましたが、最近は中年層にも拡がっているようで社会的不安などの要素が関係しているのかも知れません。それでも相手が強くでられないことを承知で及んだ行為なら、決して許されないことだと自覚させる必要があります。

同じような事例として扱うのは難しいにしても、今年に入ってから野生のクマによる人間殺傷事案が北海道で相次いで報告されました。そして駆除した行政機関に匿名で「クマがかわいそう。人間がクマの生息域に居住しているのが悪い。」といった苦情が再び寄せられているそうです。確かに1つの意見ではあるものの、匿名性を隠れ蓑にしたこのような発言を繰り返すことも職員に対するハラスメントだと思えます。医療機関にしても駆除した行政にしても業務が停滞する訳ですから、刑事事件に該当するならば早急に情報源特定に対する法律を整備しなければならない時代に突入した感がありますね。