オフィス鴻

医療費の負担増を考える

2026年01月17日

医療機関の収入である診療報酬は、2年に1度改定されています。診療報酬とは、医療サービスへの対価として定められた公定価格のことで、昨今の社会保障費膨張対策として改定のたびに様々な見直しがされてきました。しかし実際には本業収入とも言える医療機関従事者の人件費相当部分の改定率は1%未満に留まっており、薬価を含めると10年間ほどはマイナス改定となっている状況です。そのため大規模医療機関では診療報酬が比較的高い手術・救急対応・検査などを中心に運営するほか、DX推進や差額ベッド代引き上げなどでギリギリの経営を続けていると言われています。

このコラムでも診療報酬について何回か編集人の持論を綴ってきましたが、国民皆保険制度を維持していくためには患者負担額の引き上げ・社会保険料引き上げなどの施策が不可欠だと考えられます。実際に2025年度からは後期高齢者の自己負担額が引き上げられたことや、年金受給額が物価上昇によって実質目減りしていることで、病気でも病院に行けない方が増えてくるだろうと予測されています。実際に診療報酬を1%引き上げることは年間5,000億円に上る財政支出が増えることに繋がりますから、少子高齢化が進行中の日本人にとっても決して他人事ではありませんよね。

それでは一般国民として医療費削減に何ができるのかと言う視点で考察してみると、最も有効なのは病気にかからないことでしょう。しかし実態として誰でも病気に罹患するリスクはありますから、それを支える国民皆保険制度を理解することが大切だと考えています。海外ではお金がないがために病院に行けない方も多く存在しており、日本の医療制度が如何に素晴らしい者なのかは海外で暮らしてみるとよくわかります。結局のところ、無駄な医療費を浪費しないためには不要不急の診療・投薬を受けないことが最も現実的であり、1人1人の心掛けで実現できることだと感じています。