オフィス鴻

危険運転と量刑

2026年01月19日

飲酒運転や速度超過等による重大交通事故の発生が相次いだことを受け、危険運転致死傷罪について様々な課題が指摘され法制審議会(法務相の諮問機関)が速度・体内アルコール量の数値基準について素案を提示しました。具体案としては法定速度に対する超過幅を基準の50km程度とすること、アルコール量は体重60kgの人ならビールの大瓶換算で2本程度となっているようです。もちろん車両性能や個人ごとの運転技量によって危険度は異なり、アルコールも体質によって違いがあることは事実ですが、少なくとも法治国家として明確な基準を定めることは必要だと考えます。

しかし現実には飲酒運転で事故を起こした後に警察に通報せず、後日アルコールが体内から抜けた状態で出頭することで免許取り消し処分などを免れる事案が後を絶ちません。運転免許取得時には、事故を起こした場合には負傷者救護、現場の安全確保、警察への連絡が義務付けられていることを学びますが、実際には抜け道を悪用する加害者がいることも事実です。今回のアルコール摂取に関する素案では、WHO基準に合わせた案と厳罰を求める被害者遺族の主張する案が併記されています。そのため事案によってはこれまで過失運転として適用されていた事故でも、厳しい処分となる可能性があります。

編集人が特に問題だと感じるのは、2014年に施行された自動車運転処罰法で定められている危険運転致死傷罪でも最大で懲役15年だという点です。例えば殺人罪の法定刑は死刑・無期懲役・5年以上の懲役(禁固)刑と定められていますので、当然飲酒運転・大幅速度超過による死亡事故では同程度の量刑が課されるべきだと考える被害者遺族がいることは容易に想像できます。最終的に同罪に関する規定が厳罰化されれば一定の抑止力になることは明かですし、何よりも全く罪のない市民が突然命を奪われることや一生を台無しにされることがなくなる社会になればいいと感じています。