オフィス鴻

商業施設の持ち物検査

2024年09月10日

大手百貨店や商業施設・倉庫等では、入退館時に受付で警備員による私物の持ち物検査が行われています。編集人も例外なくチェックを受けていましたが、商業施設の販売員等が中身が確認できる透明な手提げバックを使用しているのを見かけると思いますが、それも窃盗を疑われないように持ち込み可能品・不可品を含めルール化されています。店頭でも出入り口に探知機(タグの有無など)が設置されていたり、高額商品(化粧品・電子機器等)は商品棚に直接置かずレジで渡される仕組みが導入されています。また、コンビニでも高額品(金券に類するカード類、タバコなど)はレジで購入することになります。

実際の商業施設内で発生している窃盗・万引きによる被害額は公には公表されていないことが多いのですが、全国万引犯罪防止機構が日本全国の警察本部、都道府県庁、都道府県教育委員会などのご協力で調査したところ、年間8千億円にも上ると言われています。商品や業態にもよりますが、再販制度外の日用品・食料品などの1商品あたりの店頭販売粗利額(=売価―仕入価格)は15~20%程度と言われており、1万円の営業利益を稼いでも万引被害額が2千円なら利益がゼロの状態になると計算できます。それほど、万引き被害は小売業経営にとって深刻な問題でアメリカなどでは中小の小売業が万引き被害で事業を廃止する例も少なくないそうです。そのため、日本でもセルフレジを導入した店舗でも機器の撤去が始まってきました。

また、一部の医療関係者の中ではクレプトマニアという「窃盗症」「病的窃盗」が精神疾患のひとつであることが解明されてきているようです。通常の窃盗行為との違いは、窃盗行為者が利益獲得を目的として盗みを行うものであり、クレプトマニアはお金はあるのに少額な物の窃盗を繰り返したり、窃盗する物自体には関心を持たないなどの特徴があるといいます。しかし、被害を受けた事業者にとっては、故意・疾患窃盗に関わらず迷惑行為であることに変わりはないでしょう。