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国際観艦式

2024年10月14日

国際観艦式とは、同盟関係等にある各国の軍艦(艦艇)を招き、国際親善や防衛協力の促進、国民に海上自衛隊・海軍に対する理解を深めてることが主要目的となっています。実際には 国際慣習法 に則って開催国旗と国籍を示す外部標識旗(日本は旭日旗)を軍艦に掲揚するのですが、数年前に韓国で行われた観艦式では旭日旗の掲揚をしないよう韓国側が海上自衛隊に求めた(国際法違反)ことから日本は参加せず、他にも直前で参加を辞退した国もありました。その後に行われた日本での観艦式には韓国軍は招待されませんでした。更に日韓関係の冷え込みはホワイト国認定解除(韓国の管理体制が不十分であることが理由)によって韓国の半導体産業に大きな打撃となる等、前文大統領の時代にはこれまでにないほど両国間の関係が悪化したことは、まだ記憶に新しいところです。

今年8月、海上自衛隊の横須賀基地にアメリカ・ニュージーランド・シンガポール・カナダ・ドイツ・イタリアの軍艦が相次いで「補給と休養」のため寄港するという非常に珍しい光景が見られたそうです。このような外国軍艦の日本寄港はアジア太平洋地域での安全保障が重要視されてきたことの表れかも知れません。特に台湾や南沙諸島での中国の海洋進出が不測の事態(衝突)を起こす懸念や北朝鮮の違法な海上での取引(せどり)が指摘されているため、一定の抑止効果に繋がった可能性が考えられます。当然、紛争が起きないことが世界にとって最も幸福なことだと思いますが、それぞれの国家には独自の考え方がありますので多国間連携は非常に意味のあることだと思います。

自国を守る自衛隊は憲法により様々な活動への制約が課されていますが、最近は必要定員の50%(約25万人)程で国防等の業務に当たらざるを得ない現実もある中で、ハラスメントや不正受給等の不祥事も報道されています。しかし、防衛力の観点で世界有数の軍事力を有する日本の自衛隊は、海外からその実践訓練レベルを高く評価されていることも事実です。