地方交付税不交付団体
2024年10月29日
編集人が居住する神奈川県には、税収で行政運営が賄える地方交付税の不交付団体が、川崎市・鎌倉市・厚木市・海老名市・寒川町・箱根町の5つあります。一見、約1兆円の税収がある横浜市は300万人もの人口を抱える政令指定都市ですが、不交付団体には含まれていません。また、自主財源の不足を補う普通交付税は26市町村が交付対象となっています。ちなみに東京都、全国で約80の市町村自治体は交付対象とはなっていません。また、地方交付税は国が地方自治体に代わって徴収する地方税であり、地方公共団体間の財源の不均衡を調節することで、どの地域に住む人でも一定のサービスを受けられるようにする仕組みで、地方法人税と国税(所得税および法人税の約3割、酒税の5割、消費税の約2割)が活用されています。
また、地方交付税(普通交付税・特別交付税)は地方自治体の一般財源となるため、各自治体が自分たちの判断で自由に利用することが可能です。交付額・計算方法等は総務省のHPに掲載されています。最近問題視されているのは「ふるさと納税」による税収流出が一部の特産品に集中した結果、商品が手配できない事態が続出するなど自治体運営に様々な影響を与えていることです。既に年間1兆円を超える規模になったふるさと納税では課題が持ち上がるたびにルール変更が行われ、今回は仲介会社を通じたサイトでのポイント付与を禁止することになりました。なお、地方交付税不交付自治体には国からの補填(概ね流出額の3/4と言われています)はなく、結果的に市民サービスレベルを下げざるを得ない東京世田谷区などの例を見れば如何に弊害が多いことか明かでしょう。
中国が福島原発の処理水海洋放出で日本の魚介類を輸入禁止(名目上解禁しました)にしたためホタテ生産事業者への支援、能登半島地震復興などに使われる例などが本来の主旨だと思います。そうなれば、結局ふるさと納税に係る人件費・配送費・サイト運営者への委託費が寄付先自治体に残り有効に使われるでしょう。