外国人特定技能者(2)
2023年11月26日
前回の続きですが、政府は2023年6月、旧技能実習制度の発展的解消と、特定技能者制度創設に依る永住を含む長期就労型(在留資格の上限撤廃)への移行を閣議決定、出入国在留管理法(改正入管法)では、難民認定三回目以降の申請者(難民不認定)は強制送還が可能となり、強制送還で命の危険に晒される人の命を守れるのか、難民認定の適正執行検証が必要との声もあります。
リクルートワークス研究所では、2040年には1,100万人の労働力不足(自衛隊・消防・看護・物流・建設など)が見込まれる恐れがあると発表しています。「特定技能制度」による新たな在留資格で、約50万人規模の外国人受入れと、これまでの85職種・156作業から単純労働を含む14業種・12分野への適用(「コンビニ」は見送り、トラック・廃棄物処理業界・業種は現在検討中)など、大幅な政策を見直し・拡大が図られました。しかし、日本での就業優位性は円安・賃金水準・規制等により大きく失われているのが現状のように感じます。さらに、就労・生活面での行政支援体制、子供への教育機会(特に義務教育と日本語)の提供、不誠実な仲介業者の排除・資格取り消しなど、まだまだ改善点が山積しており、日本での教育機会提供により専門性の高い人材として定住を安心して選択してもらえるよう、日本ならではの制度設計と差別のない共存思想を望みたいと思います。
一方、日本と友好関係にあるトルコ共和国とは埼玉県川口市でトルコ国籍の少数民族クルド人ら約100人が騒動を起こしたことについて、ギュンゲン駐日トルコ大使は「悲しいことであり、全く遺憾だ」と述べています。日本に滞在するトルコ国籍者は約6,000人おり、日本に滞在するクルド人が自国での差別や迫害などを理由に難民申請していることに関し、非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)の活動とは別に「クルド系はトルコであらゆる政治活動の自由を保障されている」とコメントしています。