太陽光買い取り価格
2025年01月29日
東京都が2025年4月から新築住宅等への太陽光発電設備の設置、断熱・省エネ性能の確保等を義務付ける制度を創設しました。東京都のHPによれば、エネルギー大消費地の責務として、2030年までに都内の温室効果ガスを50%削減する「カーボンハーフ」の実現に向け、再生可能エネルギーの利用拡大を推進するためとしています。設置にかかった費用は電気代削減・売電収入・補助金等により6年程度で回収可能とされ、大手ハウスメーカー等が供給する新築住宅等が義務対象となり、既存の住宅・狭小住宅・北向き等は対象外になるようです。自然エネルギーの活用策として他の自治体でも実施されるのかは、それぞれの財政事情等により順次導入される可能性があります。
また、経済産業省では2026年度から事業者向けの屋根置き型タイプについて買い取り価格を現在の3倍に増やす代わりに給付期間を1/4程度とすることで、一般的な投資回収期間である15年から大幅に短縮する方針だと言います。その理由として、太陽光発電事業普及における課題の1つとして金融機関での融資基準が厳しいことが挙げられています。再生エネルギーの普及は世界的にも温暖化対策として進められていますが、防災・景観・銅線盗難などトラブルも少なくありません。福島原子力発電所のデブリ回収も昨年11月にやっと開始され廃炉までには数十年を要するとも言われています。
FIT(固定価格買取制度)は徐々に引き下げられてきた経緯があり、また老朽化や事業廃止などで大量の産業廃棄物が違法投棄・放置されるなど別の観点で環境問題が発生していることを鑑みる必要性があるとも考えています。さらに、全体の方向性としては再生エネルギーの発電量に対する割合が増えることには賛同できるものの40年超の原子力発電所の再開が認められつつある中で、最終的には新技術開発や国民の理解を得られる方向で日本のエネルギー政策を進めて頂きたいと編集人は思っています。