オフィス鴻

就労支援センターの不正

2025年12月30日

鹿児島県鹿児島市にある社会福祉法人が運営する就労継続支援B型事業所で行われた訓練費等の不正受給(約2,500万円)に関して、鹿児島市は同法人の福祉障害サービス事業所指定を取り消す行政処分を行ったことが南日本新聞社の報道で明らかになりました。不正内容は実際に就労支援サービスを受けていない利用者への給付費・食事費・送迎費などを不正請求していたもので、日本全国でも同様の事例がこれまでに報告されています。しかしこの一件で最も深刻な影響を受けるのは利用者・家族であり、新たな就労施設を探す必要性などが負担になることは想像に難くありません。

因みに就労継続支援B型事業所とは、一般企業での就業が困難な障害者・難病患者に対して就労の機会や訓練を提供する福祉サービスを指しています。しかし実際に得られる報酬は月額数万円程度であり最低賃金が適用されない工賃制となっています。編集人の場合は自宅でPC・リモートなどで短時間就労することは可能ですが、一般的に時給換算で2~300円程度の工賃に加えて各種障害者手当などを加算しても月額十万円程度とも言われていますから利用者にとっては生活崩壊にも繋がりかねません。それだけ利用者にとっては、最後の拠り所的な存在だとも考えられます。

実際に日本の政府統計では、就労継続支援B型事業所は約1万か所、利用者は30万人超えというデータがあります。それではなぜこのような不正が行われると考えられるのでしょうか。1つは近年同事業所が年間7%程度の増加傾向(厚生労働省)を示していることにあると考えられます。その背景には2013年に行われた障害者総合支援法の改正があるようです。つまり施設の増加が法人経営の収益性を圧迫している可能性があると考えられるのです。障害者雇用は障害を持った方にとって大切な生きがい・収入源ではありますが、必要以上に搾取するような事業構造は本末転倒だと感じます。