オフィス鴻

年金と社会保障

2025年08月07日

日本の社会保障制度(年金・健康保険)は戦後の復興段階で相互扶助をベースにして政策化されてきました。この20年程は年金・健康保険のあり方・今後の方向性等について様々な観点から議論されたものの、結局日本政府がどこをゴールにしたいのかがわからないケースも増えています。このブログでも編集人個人の見解を綴ってきましたが、最近の社会情勢を見ていると家族の在り方が急激に変わっていることが大きな問題の本質であるようです。特に最近は様々な制度改定に対して感情論を先に出してくる方も多く、もう少し俯瞰的かつ長期スパンで物事を考える必要があるように思われます。

このコラムを執筆しているのは今年の6月ですが、特に本年度の予算編成に於いては年収の壁・高額療養費の改定などが議論され「国家百年の計」が論じられずに政党間の駆け引きが際立っているように感じます。先述の日本社会の変容はこれからも進んで行くことと考えられ、時代にそぐわないものはもっと議論を深めていく必要があると思います。特に国民年金を引き上げる施策として厚生年金財源を活用することが本当に行われるとすれば、日本中で大きな分断社会化が進む可能性があります。一旦は5年間据え置きとされているものの、押し切られる可能性は否定できません。

そもそも60歳まで40年間国民年金保険料を支払うことは日本国籍を有する方の義務ですから、この議論が置き去りにされている現実を考えれば消費税の目的外使用や国民年金保険料(現在は約16千円/月)の引上げを行えない立法府の無策とも言えるでしょう。実際に国民年金には支払猶予・法定免除・減免施策が取り入れられていますから、国民年金で不足する生活費は何らかの労働(ボランティア)対価や生きがいと引き換えに自助努力するのが正しい姿だと考えています。当然生活弱者(主に高齢・病気など)に対するケアは必要であっても、やはり何らかの線引き(外国籍への生活保護支給など)はして欲しいと感じますね。