オフィス鴻

従事者不足の医療機関

2025年12月17日

どの業界でも共通するであろう離職理由に、人間関係の複雑さ・煩わしさが挙げられます。特に同じ程度のスキルを持った集団では、企業風土を変革することに外部視点が入りずらいため特有の課題を抱え続ける可能性は高いものと思われます。つまり人間関係の問題を放置・軽視している企業では、離職者が増えるのだと考えています。つまりこれまでサービス残業が当たり前だと言った経営者・管理者が居続ければ、働き方改革とは掛け声倒れになってしまうリスクが高いのです。編集人は入院する時には、原則として日勤・夜勤看護師の交換時間帯には極力無理なお願いをしないよう心がけています。

編集人が大手企業に在籍していた時代には、就職後最初に全ての事業所を訪問していました。その中で問題が多発する事業所の特徴として、正しい引継ぎがされていない、一部の従業員が異常に大きな権限を振りかざしているということがありました。そこで常に進めていたのは、声に出せない不満・改善意見などを組み上げ、本社(HQ)で経営会議に課題と改善策を上申していました。ただし従業員の思っていること言っていることが全て正しいとは限らず、本来その従業員がやるべきことを明確にする(単なる業務手順書とは異なります)ことと責任範疇を伝えることが大切だと感じています。

され医療従事者の話に戻りますが、従事者不足の大きな要因には業務量増加と患者(家族も含みます)の質の変化があると感じています。殆どの医療従事者の方々はまじめに仕事をしていく中で様々なストレスを持っていられると思いますが、診療科や役割によって偏りがあることも事実でしょう。そうなると同じ報酬・待遇であっても不満が出ることも容易に想像できます。突き詰めていくと医療従事者の離職には色々な理由があり、やはり従業員の気持ちに寄り添った経営のできる医療機関とそうでない医療機関の質の差は、これからどんどん拡大していくように考えています。