オフィス鴻

改正障害者差別解消法

2024年06月30日

内閣府のHPに今年4月から、障害者への合理的配慮の提供義務化に関する資料が掲載されています。主旨は事業者への合理的配慮の提供が、努力義務から義務へと変更される点にあります。既に2021年から行政機関等・事業者共に不当な差別的取扱いは禁止されていますが、障害にも様々な種類があり見た目だけではわからないことも多く、一般の方や特に事業者の方の中には合理的配慮の提供と言われても一体何をどうすれば良いのか、どこからが違法となるのかなど悩みは尽きないと思います。簡単に言えば、障害のある方から申し出があった場合に正当な理由が無いのに障害を理由として「合理的配慮の提供」を行わないでくださいと言えるのではないでしょうか。

特に法改正にあたっては「建設的会話」を通じてお互いに問題を解決していく姿勢が重要だとされていますが、障害の個別事情に応じて判断することに正当性が認められれば不当な差別的扱いには該当されないとされており、可能な範囲で対応することが第一歩だと思います。しかし、実際には健常者が障害者の多様な特性を理解して常に適切な行動をとることは難しい上に、障害によってはお互いに思ったように意思疎通ができないケースや、一見我儘な要求と感じることも多々存在すると思います。したがって、まずは状況に応じた心配り(配慮)ができれば大きなトラブルにはならないように思われます。

編集人も障害をもってから感じているのは、自分より弱者に対して攻撃的態度をとる方(年齢・職業・性別は殆ど関係ありません)が増え、社会の一部が殺伐としてきているように思えること、障害や高齢による身体能力の低下に対して周囲が支援・配慮するのが当然と考える方が増えていることです。具体的には、駅の構内で杖を持って駆け込み乗車する高齢者、歩道をかなりのスピードで移動する車椅子使用者、混雑のピーク時間帯に交通機関や飲食店等を利用することなどが挙げられます。しかし、事前に一言相談しておくなどしておけば、殆どの場合は非常に丁寧に対応して頂けることも事実であり、附記いたしたいと思います。