救急医療(ER)
2025年06月18日
厚生労働省が主導してきた「働き方改革」では現場での混乱が徐々に明らかになってきました。ここでは2つの例を挙げて考察してみたいと思います。まずは表題にある医療関係者の時間外労働規制ですが、特に救急医療では一刻一秒が生命や後遺症に大きな影響を与えることは良く知られています。編集人の場合はまだ完解治療のない自己免疫性難病に罹患していて、大学病院の主治医(あと数年すれば教授になられることでしょう)からは「万が一極端な体調不良があった場合には、すぐに同大学病院のER(救急救命)に連絡して救急車を要請する」よう指示されています。今年の初めに容態が悪化して救急車を要請したのですが、結論的にはたらい回し状態で3つめの医療機関に搬送されました。
ここではER担当医を責めるつもりは全くありませんが、大学病院と言えども急患が集中することがあり各病棟から専門医がこれないことも多くあります。今回は病床が満床であったこと、急患が立て込んだことに原因があったようですが救急搬送まで救急車の中で1時間待機することになり、病院の満床の理由は「新型コロナ入院患者」の急増にあったことだと後日の外来で主治医が話してくれました。編集人の罹患している病気は今年か来年に臨床例として医学専門誌に掲載されるようで、これがきっかけで1人でも多くの患者さんが救われることを願って止みません。編集人の居住地付近はありがたいことに二次・三次救急医療機関が多いのですが、この病気を知っている脳神経内科医が全国的にもほとんどおらず主治医と連絡を取って頂き治療を進めないと誤った診断をされるような危険性の高いものです。
当然当直医・ER医が編集人の難病に対して知見がある訳ではありませんから、受け入れる側としても慎重にならざるを得ないことは理解できます。現在は地域連携と言う形で編集人の症状を救急医療機関で共有できるようになってきており、治療を受けられるだけでもありがたいと感じています。問題は医療に限らず量と質を向上することが大切だと考えています。